ミジュン速報。
この速報が流れたら、沖縄ではたくさんの人がワクワク
ニュース速報が流れる訳ではなく、釣りバカネットワークで、ミジュンがどこの港にいるかが瞬く間に広まっていく。
ミジュンとは、イワシの仲間の小魚のこと。その小魚達が、大きな群れになって港に現れる。
まさしく小学校の国語で習ったスイミー状態
ミジュンは季節や周期で港に現れる場合もあれば、気の赴くままに現れることもあるらしく、1つの港に1カ月以上現れる時もあれば、1日でいなくなる時もある。
不思議なことに、ミジュンは太陽が昇るのと同時に港に現れ、太陽が沈むのと同時に大海原に帰っていく
速報が流れると、港は船着き場から、たくさんの人が集まる釣り堀へ様変わり
このミジュン、刺身、唐揚げ、南蛮漬けにしても最高 今回は唐揚げに
ミジュン速報が流れると、大の釣りバカである旦那や友人たちは、朝5時前から会社にではなく港に出勤する
このミジュンが朝と夕方港に出入りする時、港の入り口では大型魚のガーラなどがミジュンを待ち構え、その大型魚を上から釣りバカどもが狙っているという、変な食物連鎖のようなサイクルができている
私もミジュンがいると聞くと、一緒に港へ出かける。旦那や友人達は港の入口で大型魚を狙う中、私はミジュンが食べたい一心で港の中でミジュン釣り。これが楽しくてたまらない
ミジュン釣りは子供から大人までが楽しめる
餌を足元にまき、集まってきたミジュンを網で一気にすくうやり方、針を垂らした先に餌をまき、釣る方法。私はさびきという、1本の糸から針が何個も付いているのを、ちょっと遠くに投げ、竿をチョンチョン揺らす、すると針を小さな小魚と勘違いしたミジュンが食いついたり、チョンチョン揺れている針が体に引っ掛かり釣れる。
餌を使って釣っている人達の横で、餌なしで釣ると私の団子鼻は一気に天狗になる。
一度子供がお父さんに『あの人プロだよ!』と。そんな持ち上げられると…お調子者の私は、その後釣れなくなり持ち上げられるだけ持ち上げられ…叩き落されてしまった
港の中には、もう仕事も引退した影の番人達が、毎日港へ出勤している。
そんなおじ様方から、『刺身を食べて行け』と以前お招きされた。港の片隅で酒の肴にミジュンの刺身。
でも、そのミジュンを良く見ると、頭だけ切り落とされた状態
普通、刺身とは骨を省くために、魚を三枚におろすはずが…骨付きのままおじ様方いわく、小さいから骨も大丈夫と。
猫でもあるまいし…そこは笑顔で退散
そんなおじ様方から、ミジュンの簡単なさばき方を伝授された。
包丁を使ってあれだけ小さくて大量の鱗をとるのは大変…だから、尻尾の方に爪をたて、それを頭の方へ一気にずらす。そうすると、鱗がスルーッととれる。ハラワタもハサミで少し切れ目を入れ、後は指を押し込んでコチョコチョ
今度は、いつミジュン速報が流れるか、待ち遠しい。
韓国語でマキコ印を作ったので、写真の横に載せてようと改めてミジュンの写真を見たら…180度傾いていた
正しくは、下でマキコです。可愛いでしょ