島じかん

11月11日、義理の父の17回目の命日。
少し早かったが、お墓参りに行ってきた。
みんな義理父のことを愛称でダディー（お父さん）と呼んでいる。
名前がダディーではないが、みんながダディーと言うので、生粋の日本人の私としてはダディーが名前のような気がして…。
なぜだか、『さん』を付けたくなる。

ダディーさんは、終戦後アメリカが沖縄を統治していた頃、アメリカのミシッシピー州から軍人の一人として日本にやってきた。そして、今は母方のお墓に眠っている。
沖縄では長男制が色濃く残っているので、アメリカから来たダディーさんが母方のお墓に入るのは珍しいらしい。

義理母のお墓には、○○家之墓という上に鄭氏（ﾃｲｳｼﾞ）という文字が書かれている。

琉球王国時代の700年程前、中国（明）の洪武帝の命により、福建から今の那覇市久米に久米三十六姓と呼ばれる中国人達が移り住み、久米村（クニンダ）という居住区を形成した。その頃の琉球は、大交易時代の真っ只中。琉球の人々では知りえない航海、造船等の技術を持ち、貿易に必要な外交文書の作成、通訳、取引にあたった中国の人達で、琉球王国と中国や東南アジアとの海外貿易を担い、琉球王国の中では位の高い職能軍団だったそうだ。
その人達が母方のご先祖様で、その時の屋号が鄭氏。
そのルーツがお墓に記されている。

そう考えると、沖縄が刻んできた歴史の、まさにチャンプルーされた部分が重なって生まれてきた旦那。
沖縄では知らず知らずの内に、自分のルーツというのを知っている。
私は結婚した当初よく、『どこの○○（苗字）さんね？』と聞かれた。これは今住んでいる場所ではなく、○○さんのルーツがどこなのかという事を聞いてくる。
『クニンダ』というと、みんな『あ～あそこね』って、みんなその苗字がどこのルーツかというのを、他人の苗字でさえ知っている。

最近になって、私のルーツはいったいどこなんだろう？と考えてしまった。
今度里帰りした時にでも、調べてみたいな。